銀の腕のヌアダ(Nuadu)

小山内梢子のモチーフはケルト神話で名を馳せる神々だった?

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アオイシロのグランドルートで、馬瓏琉との対決の際、

人の腕から剣の形に変わる銀の腕は、鏡面と化して瓏琉の視線をはね除けた。

というシーンが出てくるが、これはギリシア神話のペルセウスの楯がメデューサの邪眼をはね除けたという有名すぎるエピソードだけではなく、ケルト神話のヌアダ(書籍によっては「ヌアザ」「ヌアドゥ」など)がモチーフになっているのだろう。以下に、ヌアダに関する概要を簡単に説明する。

ケルト神話に登場するダーナ神族の王。
モイツラの戦いで総指揮者となりフィル・ボルグに勝ったのでヌアダ(幸福をもたらす者)、アガートラムと呼ばれた。「不敗の剣 "Clasimh Solais"(クラウ・ソラス)」を持ち、戦いの神としてローマ神話のマルスやユピテルとも同一視される。
時代が下ると病気を治す神といわれ、ヌアダの像のそばで一晩眠れば病気は治り、子供が欲しい女性はその泉に針を投げ入れて願えば叶えられるとされていた。


アオイシロ 小山内梢子

戦いでヌアダは片腕を失い、医術と技術の神ディアン・ケヒトが銀の腕"Airget-lamh"をつけたので「銀の腕のヌアダ」と呼ばれるようになるが、肉体的欠落のある者は王位に着けぬ不文律があり、欲深いブレスが王となる。

七年後、腕を元通りにして王座に戻るが、王座を奪われたブレスがフォモール族の長「魔眼バロール」に助けを求め、戦争になる。ヌアダは一旦敗れるが、太陽神ルーの助力を得て王位を取り戻す。

アオイシロで小山内梢子が腕を切られ、と同化した話は「銀の腕のヌアダ」がモチーフになったと思われる。

また、細かい話ですが小山内梢子の祖父・仁之介の稼業が鍼灸整骨院である事はヌアダと針の信仰から想定されたのか?

なお、王位を譲ったヌアダが、バロールに召喚されたクロウクル・ワッハに殺されたという話もあるようだが、これはアイルランド人アーティスト、ジム・フィッツパトリック(1959〜)により後世創作されたらしい。


小山内梢子に関連する項目

ケルト神話に関連する項目


参考
『総解説 世界の神話伝説』 自由国民社
『ケルト神話』 池上正太 新紀元社
『「ケルト神話」がわかる』 森瀬繚・静川龍宗[著] ソフトバンク文庫