喜屋武汀がカナヅチの理由は隼人舞のオマージュ?


完璧超人のミギーさんが何で泳げないのか? 人工呼吸以外で理由を探りましたw

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アオイシロ 喜屋武汀卯良島=青島?でアオイシロが海幸彦・山幸彦の伝承のオマージュが含まれている事を述べましたが、喜屋武汀がカナヅチである理由もこの伝承に基づいたオマージュであると思います。

伝承の詳細と隼人については卯良島=青島?でご確認いただきたいのですが、海幸彦が山幸彦に攻めかかったところ、潮乾珠(しおふるたま)で溺れさせられてしまう伝承は、海幸彦の子孫であると伝えられている隼人が大嘗祭において隼人舞を行う起源であると一般的には解釈されています。

この隼人舞とは天皇の前で、水に溺れた海幸彦を面白おかしく演じることで、天皇への服従の誓いを再確認していたと言われています。
アオイシロにおいて喜屋武汀が釣りをしている事と、剣を奪った鳴海夏夜に剣を返すように迫るのは、山幸彦に釣り針を返すように迫った海幸彦のモチーフの様に思えますし、潮乾珠(しおふるたま)で溺れてしまった山幸彦のように、喜屋武汀が泳げないのもこの伝承が元になったと思います。

余談ですが、海幸・山幸の神話の類話は南太平洋の島々に分布しており、インドネシアのケイ諸島にはヒアンとパルパラという兄弟の話が伝わっています。この話も弟が兄に釣り針を借りて、釣り針を無くすと、ヒアンが無くした釣り針を返せと迫り、パルパラが海を探し回り、喉を傷めた魚を見つけ、喉を探ると針が出てきて、還ってこれを兄に返し、復讐するという話があります。深読みのしすぎかもしれませんが、ヒアンと喜屋武(キヤン)で発音が似ているのは偶然なのか、少し気になるところです。

なお、隼人の詳細につきましてはアカイイト元ネタ分析の「観月の民・隼人」をご覧ください。

【追記】
この海幸山幸神話が書かれている『日本書紀』巻二神代第十段本文に「可怜小汀(うましをはま)」という文がある。「美しい小さい浜」という意味だが、この一文から元ネタも絡めて喜屋武汀のネーミングを考えたとしたら素晴らしいの一言に尽きる。

参考資料・『職員令集解』第五巻 ([隼人司条]一部抜粋)

〈及名帳。教習歌儛〉。
穴云。隼人之才(職)是也。朱云。教習歌儛。謂隼人之中。可有師也。其歌儛。不在常人之歌儛。可別也。

参考資料・『延喜式』(巻二十八[兵部省隼人司]一部抜粋)

凡踐祚大嘗日,分陣應天門内左右,其群官初入發吠。悠紀入官人并彈琴、吹笛、撃百子、拍手、歌儛人等,【彈琴二人,吹笛一人,撃百子四人,拍手二人,歌二人,儛二人。】從興禮門參入御在所屏外,北向立奏風俗歌儛。主基入亦准此。

関連項目

参考文献
『もう一度学びたい 古事記と日本書紀』 西東社
『上代説話辞典』 大久間喜一郎・乾克己[編] 青春出版社
『謎解き日本神話』 松前健 大和書房
明治大学古代研究所 『令集解』データベースより全文データ1(高司家本)
『延喜式』 皇典講究所, 全国神職会 校訂 大岡山書店(国立国会図書館デジタルコレクション